往年のラブストーリーと
人とのつながりを表すコードリンクス
短い時間ほど輝き
永遠の思い出になる
当時まだ無名だった、女優オードリー・ヘプバーンを世に知らしめるきっかけとなった本作は、イタリアのローマが舞台。ヘプバーン演じる、ヨーロッパ某国のアン王女と、彼女が滞在中の大使館をこっそり逃げ出して、ローマ市内をお忍び中に出合うアメリカ人新聞記者とのたった1日の恋を描いています。
最初の登場シーンで、眩いダイヤモンドを身につけたドレス姿のヘップバーンのいでたちは美しく、女性が憧れるパーフェクトなプリンセスそのもの。一方で、日々の公務に根をあげて駄々をこね、涙を流す姿からは等身大の若い女性であることがわかります。そんな彼女が自由に街を散策し、1人の男性とさまざまな場所へ出向き感情を分かち合うことで、一生の思い出となる24時間を過ごします。お城で執事に囲われたお堅いプリンセスから、どこにでもいるお転婆で好奇心旺盛な女性へと軽やかに変身し、それに伴って2人の気持ちが徐々に通じ合っていく笑いあり、涙ありの変遷が見どころ。特にラストの再会シーンは、身分違いが恋を阻んでも伝わってしまう気持ちの描き方に、ラブストーリーの金字塔と語り継がれる理由を感じます。2人の感情のつながりに心を揺さぶられる作品です。
『ローマの休日』(1953年)
主演:オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック
監督:ウィリアム・ワイラー
Blu-ray: デジタル・リマスター版ブルーレイ・コレクターズ・エディション(初回生産限定) ¥5,280(税込み)
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント